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血液に関する基礎知識

解説  山梨大学医学部 血液・腫瘍内科  桐戸敬太

血液とは

血液は、液体部分の(血漿)と細胞成分、たんぱく質などから成り立っています。細胞成分には、赤血球、白血球そして血小板があります。赤血球は体の組織に酸素を運び、一方で二酸化炭素を肺に運んでいきます。白血球には、好中球やリンパ球、単球など様々なタイプがありますが、主に異物(細菌やウイルスなど)や体の中で生じたがん細胞をやっつける働きを担っています。血小板は、主に止血の役割を果たしています。

造血とは

血液細胞はすべて、造血幹細胞と呼ばれる細胞に由来します。造血幹細胞は、骨髄内に存在しており、そこで20 回以上の細胞分裂を経て、赤血球、白血球そして血小板へ成長していきます。この過程を造血と言います。

造血幹細胞(血液幹細胞)

すべての血液細胞は、造血幹細胞から造られてきます。造血幹細胞の特徴の一つは、すべての血液細胞を造ることができること、言い換えればすべての血液細胞に成ることができることです。これを多分化能と呼びます。もうひとつの特徴は、まったく自分と同じ性質をもった細胞を繰り返し造ることができることです。この能力を、自己複製能と呼びます。造血幹細胞が自己複製能をもつことにより、生涯にわたり血液を造り続けることができます。

骨髄の構造と働き

骨髄は骨のなかにある柔らかい組織であり、ここで造血幹細胞から様々な系統の血液細胞が造られています。血液細胞だけでなく、血液細胞の成熟を手助けする骨髄間質細胞なども含まれています。骨髄は、主に体の中心部にある背骨(椎体骨)、胸骨あるいは骨盤の骨(腸骨)に存在しています。



骨髄中に存在する造血幹細胞は、自己複製能といろいろな血球に分化することができる多分化能を持っています。 造血幹細胞は骨髄内で、白血球系、赤血球系そして血小板のもととなる細胞に成熟します。そこから、さらに成長した白血球や赤血球そして血小板になったところで、骨髄から血管の中に移動します。



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