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骨髄増殖性腫瘍(MPN)共通 Q&A

Q1.骨髄増殖性腫瘍(MPN)はどのような病気ですか?

造血(血液)幹細胞(血液の種)に異常が起こって、赤血球や白血球、血小板が増加する病気です。1951年に米国のダムシェック先生が初めて提唱した概念で、血球の増加や脾腫など、よく似た病態を示す病気を集めて、骨髄増殖性疾患という名前をつけました。その当時は慢性骨髄性白血病、真性赤血球増加症(真性多血症)、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症の4疾患でしたが、2008年に発表されたWHO分類第4版ではその他に4疾患が追加されて、8疾患になりました。これらの多くの疾患で遺伝子異常が発見されたので、骨髄増殖性疾患から骨髄増殖性腫瘍に名称が変更されました。

Q2. 真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板血症(ET)、原発性骨髄線維症(PMF)はどこに分類されますか?

骨髄増殖性腫瘍(Q1をご覧下さい)に分類されます。

Q3.  JAK2V617Fのアレルバーデン値とは何ですか?

JAK2V617F遺伝子の比率を表したもので、JAK2V617F遺伝子量÷(野生型JAK2遺伝子量+JAK2V617F遺伝子量)×100%で求めることができます。75%を超えると25%以下の患者さんに比べて血栓症の合併が多くなります。また50%を超えると50%以下の患者さんに比べて真性赤血球増加症や本体性血小板血症から骨髄線維症に移行するリスクは10倍になると言われています。測定は保険収載されていません。一部の大学(順天堂医院血液内科)や検査会社で測定可能です。

Q4. JAK2遺伝子変異率が80%以上ですと、いつか100%になって下がらなくなりますか?

基本的に低下することはありませんが、増加せずに同じ値で長期経過する方もいます。

Q5. 治療薬でJAK2V617Fのアレルバーデン値は変化しますか?

JAK2阻害薬による脾腫の軽減とJAK2V617Fのアレルバーデン値の低下とは正の相関を示します。またインターフェロンによってJAK2V617Fのアレルバーデン値が検出限界以下(5%)になったとの報告もあります。一方、ハイドレアはアレルバーデン値には影響を及ぼさないようです。

Q6. 分子遺伝学的寛解するような薬が出る可能性はありますか?

一般にはインターフェロンによってJAK2V617F変異量の減少が報告されています。またJAK2阻害薬であるジャカビでも10〜20%程度の減少が報告されています。

Q7. JAK2V617Fアレルバーデンの値は、血栓のできやすさに影響しますか?

JAK2V617Fアレルバーデンの値が50%を超えると血栓症の合併や再発のリスクが高まります。

Q8. アレルバーデン検査は受けたほうがいいですか?

治療方針や合併症のリスクを考える上で参考になるので、可能であれば受けた方がいいでしょう。ただQ3でお答えしたように、今のところどの施設でもできる検査ではありませんので、検査可能な施設(順天堂大学血液内科など)に検体を送っていただくなど主治医の先生と相談してください。

Q9. 子供に遺伝しますか?

遺伝するという明らかな報告はありませんが、スウェーデンの大規模解析では骨髄増殖性腫瘍患者さんの血族一親等(両親、子供)で発症頻度が数倍高くなると言われています。

Q10. 脾臓か腫れるということは、骨髄で造血していなくて、脾臓で造血していて、骨髄が線維化しつつあるのですか?

必ずしも骨髄の線維化=脾臓腫大ではありません。骨髄の線維化がなくても髄外造血のために脾臓が腫れることがありますし、骨髄の線維化が生じていても脾臓は腫れない場合があります。

Q11. 脾腫に対する治療法を教えてください。

JAK2阻害薬、抗腫瘍薬(ハイドレア)、放射線照射、脾臓摘出があります。

Q12. JAK2阻害薬の有効性を教えてください。

骨髄線維症で脾腫の軽減、全身症状(盗汗、体重減少、発熱、掻痒感)の改善を認めています。4年間服用すると約2割の患者さんで線維化がよくなると報告されています。骨髄線維症を対象に平成26年秋頃には保険収載される予定です。保険適用になるということです。

Q13. ETやPVで病気の進行を遅らせ治癒へと導く治療法はありますか?

ジャカビではまだそのような結論が得られていません。海外の報告ではインターフェロンは治癒へと導く可能性はありますが、確立されたものではありません。

Q14. MPN患者は健康な人よりもがんになりやすいですか?

急性骨髄性白血病や骨髄異形成症候群などの造血器腫瘍は健康な人よりも明らかになりやすいですが、固形がんについては明らかではありません。

Q15. MPNと慢性腎不全を発症し、透析治療が必要となった場合、MPNはどのように治療しますか?

透析治療ではハイドレア、ジャカビ、アグリリンのいずれの薬剤も投与禁忌ではなく、慎重投与が推奨されています。ハイドレア服用中であれば、投与量を20%または4〜6mg/kgを1日1回に減量し、透析日であれば、透析後に服用してください。ジャカビやアグリリンの場合にも最少量から開始し、副作用に十分に注意しながら、増量し、透析日であれば、透析後に服用してください。

Q16. 歯科治療をする場合、特に手術や抜歯をする時には主治医や歯科医に相談する必要がありますか?

血小板が極端に多い場合には出血が多くなる可能性があります。また血小板凝集を抑制する目的でアスピリンを服用している場合には観血的操作によって止血が難しくなるので、手術や抜歯をする場合には主治医に相談すると同時に、外科医や歯科医にかかっている疾患名とアスピリンを服用していることを必ず告げてください。一週間程度の休薬期間が必要になります。

Q17. インフルエンザワクチン、肺炎球菌予防ワクチン、帯状疱疹予防ワクチンは、受けても良いですか?

免疫に異常があるわけではないので、インフルエンザや肺炎球菌ワクチン、帯状疱疹予防ワクチンを接種すれば抗体はできる可能性が高いので、健常な方と同じように(白血球の少ない方はむしろ積極的に)必要時にワクチン接種は行った方がよいでしょう。なお現在保険適用になっているJAK2阻害薬(ジャカビ)は免疫を抑制する作用もあるため、ジャカビ内服中は抗体が出来にくい(予防接種の効果がみられない)可能性があります。この薬を服用している方は予防接種を受けた方が良いか、主治医にお尋ねください。ただし帯状疱疹予防ワクチンは生ワクチンなので、ジャカビ内服中は控えた方が良いでしょう。

Q18. 普段気がつかない消化管出血などを早期発見するためには、どうしたらよいですか?検診を受けるべきですか?

便潜血検査(便の中に血液が混ざっているかどうかを検査)でスクリーニングするのも良いのですが、50歳を超えたら一度は胃内視鏡や大腸内視鏡検査を受けておくと良いでしょう。

Q19. 年一回は、一般的な検診を受けた方が良いですか?

市町村や会社、学校などの定期検診は必ず受け、異常を指摘されたら、必ず主治医に相談してください。

Q20. 検査を受ける場合、なるべく放射線を浴びる検査は最低限避けた方が良いですか?

もちろんなるべく放射線を浴びる検査は受けない方が良いのですが、検査にはメリット(良い点)とデメリット(悪い点)があります。診断や治療に必要で、メリットがデメリット(ここでは被爆ということになりますが)を上回るようでしたら、放射線を浴びる検査でも受けるべきでしょう。

Q21. 短い診療時間の中で、患者はどのようにして主治医に意向を伝えればよいですか?

質問したい内容についてポイントを絞って聞いてください。質問事項を事前に紙に書いておいて質問するのもいいでしょう。

Q22. MPNの患者はがんセンターにかかることはできないのでしょうか?各センターの方針や状況により異なるものでしょうか?

ほとんどのがんセンターには血液専門医が勤務していますので、診療は可能だと思いますが、各センターの方針や状況により異なる可能性がありますので、直接お問い合わせください。

Q23. 他にどこで情報が得られますか?

海外のMPN Research Foundation (http://www.mpnresearchfoundation.org/)や、
MPN Education Foundation (http://mpdinfo.org/)、
MPN Advocacy & Education International(http://mpnadvocacy.com/) 、
Patient Power(http://www.patientpower.info/myeloproliferative-neoplasms)
MPN Advocates Network(http://www.mpn-advocates.net/)
から情報が得られますが、このホームページ(http://mpn-japan.org) で多くの情報を発信したいと考えております。分からない点や疑問点がありましたら、このホームページをご利用下さい。

 

 

 

 

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